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旅の子供

WEB参加型RPG「パッフェルベルの鐘」のメモ帳です。   サイト内の全ての作品において作者の許可無く転載する事を禁じます。 Please do not use any images ( artworks and photos on my site) on your site without permission.
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ポワッソンダブリルの日

ポワッソンダブリルとは四月の魚のことである。
まぁ、そんなのはどうでもいい。簡単にいえば、四月馬鹿のこと




朝。
「う゛ー」
ベッドから降りようとして、自分の足が絡まって顔面から地面に激突。
・・・・・イタイ・・・
なんかからだがごつごつする。
・・・・・・・・・・・・あれ?
これキャンディー食べたときみたいだな・・と思いながらあまりの痛さに洗面所に這いずりながら到着。
歯を磨いて顔を洗いながらテキトーに服をみつくろ…サイズあわねぇ……
なんか、すでに三回目だと、慣れた…痛いけど。

前に七森さんちで借りた靴を返してなかったよなーと靴を探して、〈焔熱の護法衣〉なら、おっきいからどうにかなるか・・・
……………問題は…
「やっぱスカートですか?」
今はくとマイクロミニなんですが、とか思いながら足元を見ると、すね毛が濃いわけではないらしい。
「・・・・・・・・・・・ま、いいか」

どーせ用事があるのはヴァンスにだ。
どうにでもなる。
スカートごとき気にすんな



ブラームスへ。

ヴァンスの態度がそっけない。いやむしろこれが普通だろう。
男だとヴァンスうざくなくていいやつかもしれないな、いや、まぢで。

0f67d5fa.jpg帰りに理力種を買って帰ろうと店に行く途中いきなり知らない人間から声をかけられる。
………いや、どこかで見たような気がしないでもないが。
どうせ親のダメ友人の一人だろう。

「よ。久し振り。珍しいじゃん。隊長が一人で街に来てるとか。何してんの?嫁さんとちんまいのは?」
『………えーっと』
なんだこいつと思いながら街のショーウインドーに映った自分の姿にがく然とする。
なんだこの親父と同じ姿は……
気絶できるものなら気絶してぇ…
そんなこと思っていても、相手は知ったことではない。

「それにしても何年ぶりだよ。化け猫並みだな、何年たってもかわんねー。しかもスカートとか。なっつかしぃねぇ、子猫ちゃーん?」
ひゅーひゅーとはやしたてられる。
・・・・・・・・・・・懐かしいって、昔から何してんだ、父よ。
むしろこのおっさん…・
「ま、いいや、視界に嫁さんたちがいないってことは一人なんだろ?久しぶりにみんな会いたがるぜぇ」
とわけもわからずずるずると連れて行かれる。
だから誰だよあんた
「せめて着替えさせてください…」
ズボンだけは買ってもらって履き替えるがどうやっても逃げられず、あぅあぅとか、思っている間にずるずる引きずられていった先は、どう見ても…大人の遊技場です。
がくぅ……
「よぉ、姐さんたち懐かしいお客を街で見つけてきたぜぇ」
「こんなまっ昼間に仕事が始まってるわけないだろう、とっとと出ておい……きゃーーーーーっ、王子ーぃ」
「いゃぁん、姫ぇ」
王子?姫?姫って何さ・・・
勢いよく開けた扉の先には、お色気ムンムンのおねーちゃんたちが…
……………父よ……
勢いよくおねーさんたちに歓迎されて動きが固まる。
7f674d13.jpeg耳元で「隊長、今日はおれのおごりにしときますよー」
え?
おごりって何?
隊長って何?
キャーキャー騒がれ、
ほっぺにちゅーどころか、もう、どうしましょう、初キッスも奪われました。
・・・・・・・・・・・・・・女の子だからカウントに入りませんよね。
あ、だめ、それ以上はダメでーすー
『た、たーすーけーてーーーー』
これ以上ここにいたらいろいろ失う気がすーるー
でもばれたらもっと失う気がすーるー
このくそ親父後でおぼえていやがれーーーーーーー
ちくしょーおれは普通に静かに生きたいんだーーー

なんとか、店を根性で出てくると、今度はなんだかいきなりナイフが飛んできたり、後ろから殴られそうになったり、父の名前を呼んでメロメロな表情で迫ってくる騎士や剣士や、きこりがいたり、もう、死にそうです。
…………………もしいつか、父に会うことになったら、どてっぱらに一発きついのをくれてやらないといけない気がします。
二度と男にはなりません。
でも鳥頭だからまたなって同じことがあるかもしれません。
ていうか、ブラームス怖いです。
ほかの地域でもなんかやらかしてそうで怖いです。
ていうか、俺、どこから家出してきたんだろう…(トオイメ

理力種・・・・・・・・・・買い忘れました。
セルティーヌに怒られる・・・・
33d2df8d.jpeg

後日談。
とある森にて。
「わはははははははははは。それ俺じゃねーよ」
ソファーに寝転んで話を聞いていた父親が娘の姿を想像して、数年ぶりに会った友人の話に大爆笑しながらのたうちまわっていた
「大体お前が俺のことそんな所に連れていけると思ってんの?俺、嫁さん一筋ですよ?おねーちゃんたちには悪いけど、もうああいうところは卒業したーっつーのっ。ていうか、お前ごときが俺を引きづっていける時点で気付けっーつの。家出したちびじゃねーの?」
相変わらずの俺様ぶりを発揮しながらひーひー笑いながら息を切らせている姿に、彼は「あんた、興味なかったりどうでもよかったりすると適当にいつだって連れ歩かれて、おおもてだったじゃないっすか」とは口が裂けても言わないようにしようと思っている。
昔自分の上司だった男はどこまでも昔のことを隠蔽してダメ人間をやるのが楽しいらしい。
妻は口に出さないがほぼ知っているであろう事実さえタブーである。
と思いながらも、ふと考える。
「んじゃあれ、ちびっちょいのがあんなになったんすか?すんげーでっかくなってましたよ。て言うか、女の子じゃなかったでしたっけ?」
元部下の男は記憶の中の子供とあの「隊長」の姿を反復させ、びっくりしたような顔をする。
「あー、どっちだっけ」
『本気だ、こいつ、今本気で悩みやがった』部下は少しだけ子供に同情した。
「女の子でしょ」
と、妻が口を出す。
「えー、でも昔の隊長のようにちょーかっこよかったすよ。ただ、黙って立ってた方が隊長ってかっこよかったんすねぇ」
クッションをクッションに見えない勢いで腹に投げつけられて「うぉっふぅ」とか口に出している部下。
さすがに、半裸に剥かれておねーちゃん達から逃げようとする姿はとても涙目だったな、とため息。
「家出なら、今度見つけたら連れて帰ってきましょうか?」
妻がのほほんとした声で
「んー、いいんじゃないの?まだ生きてるんだからそのうち自力で帰ってくるでしょ。気が向いたら。まぁ、死んでても生きててもあの子の人生だし」
さらっとそんなことをいい、父親は、まだ笑い転げている。

「ああ、そういえば、あの付近、錬金術の街があったわよね」
と優雅にお茶を飲みながら母親が笑顔を向ける。
あの日よね、と時期的に錬金術の暴走と言いながらのあの学院のお遊びに引っかかったであろう娘を想像して、笑顔で済まなくなり母親まで大爆笑を始める。
「ちょっと同情するよ、ちんまいの・・・・」

「あ、そうそう、もしアレにあったらこれ渡しといて」
とぽーんと小さく折られて頼りなく飛んでくる紙切れ一枚。
「なんすかこれ」
「んー、妻以外に出せるなけなしの愛?」
どうせ迷子になって自分がいた場所もわからないんだろう、というように、森の名前だけが無造作に書かれている紙だった
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ルトヴィカ
性別:
非公開
職業:
準中錬金術師
趣味:
看護
自己紹介:
WEB参加型RPG「パッフェルベルの鐘」の爪族(猫)の気ままな日常や、錬金術のメモなどを扱っています。
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